その日、私はスカートに薄いタイツを合わせた。

それから、ストラップのついたパンプス。

普段、レギンスやバレエシューズを履くのが大好きだけれど、

今日は、なぜかカジュアルダウンしたくなかった。


髪も少しだけ巻いて、シュシュではなくカチューシャを着けてみる。



私は、昨日近藤さんに告白した。

大喜びしてくれた近藤さんに抱き締められて、今夜は帰らずに一緒に寝てくださいとお願いされた。

何もせず、本当にただふたりで眠った。

朝起きて、初めてのキスをした。


「瞳って、呼んでもいいですか?」

「瞳って呼んでほしいし、奏って呼びたいです」



家族よりも近くで生活してるのに、
滅多に会わないどころか、
会社でたまに話す程度の顔見知りの先輩のこと以上に、
何も知らない赤の他人だったお隣さん。


彼は、私の恋人になった。