「私は一度だけ、無視された時に先生に言いました。そしたら、“それはお前の気のせいだ”と言って取り合ってもらえませんでした。そんな先生たちに…誰が相談しようと思いますか?」

「美晴のことだってそうです。美晴のことを相談したかったのに…中山先生は…美晴をみんなの前でわざとバカにしたりして…先生がイジメているのにどうして相談できますか?」

2年生の子も言った。


そのときだった。
職員室のドアが開いて、PTA会長と教育委員会の人がやってきた。


「校長先生。あなたに任せた生徒の飛び降りと先生の自殺…私が引き継ぎます」
教育委員会の人が先生達に言って。
私たちの方に向くと…
「君たちがこの学校で見てきたこと、聞いたことを全て話してほしい」
と優しく言った。

「委員長、もしかして…この子達の言うことをまともに受け止める気ですか?この子達には」

「子どもの言うことを信じて守るのが大人の役目です。それに…昨日からこの学校の保護者から教育委員会にどんどん苦情とか、不信感があるとか電話がかかってきています。だから…私が調べます」