朝の6時。
クーラーのはいった講堂にマスコミが集まった。

学校の先生には知られたくないから…生放送はなし。
子どもだから…うまく話せなくても黙って聞いてほしい。
陰険な質問はなし。

その3つのことを守ってもらうことを条件に…
マスコミの人はきた。


朝、6時。
マスコミの人が講堂いっぱいに集まっているなか、沙耶ちゃんが口を開いた。

「今日は…私たちの気持ちというかイジメの事実を打ち明けるために集まっていただきました」

沙耶ちゃんの声は震えていた…
生徒会副会長をしている沙耶ちゃんは大勢の人の前で話すことは慣れているけれど。
マスコミの前で話すのは初めてで緊張していた。

「単刀直入に言います。私たちの学校ではイジメがあります!」

大勢のフラッシュがたかれた。

「私たちは…ずーっとイジメが行われているのを見てきました。今、私たちの学校で噂されているイジメは1、2年生だけではなく3年生でもありました」

マイクが…朋ちゃんに渡された。

私たちはイジメの事実を打ち明けるだけではない。
今、イジメで苦しんでいる人がいるなら…
その人に、自分は1人じゃないーと伝えるために。
私たちは会見をするのだ。