学校側は急きょ、記者会見を開いた。

今度は渡辺先生ではなく、中山先生が一緒だった。

そして、保護者は。
保護者に対しての説明より世間体を気にして、記者会見を優先した学校に不信感を募らせた…


「坂本先生の自殺に関して、皆様の手元には遺書がありますが…それは事実無根です」

教頭先生が言った。

だけど。
マスコミも一枚上手だった。

「坂本先生は遺書の他にも我々にいろんな証拠を送ってくれています」

驚いたのは…教頭先生と中山先生だ。

「えっーと、遺書の中に生徒の母親から理不尽な要求があった時も教頭先生から叱られたとありますが…新任の先生がですよ、最初から理不尽な要求に対してきちんと対応できると思われていたのですか?」

「いいえ。その事に関しましては…1年生の担任である先生と坂本先生で話し合って対応されていたので…」

「1年生の先生は樫木先生ですよね?坂本先生は樫木先生にだけはきちんと指導してもらって、唯一味方になってくれた先生だって書いてあります。まさか、教頭先生。自分が叱りつけたのを樫木先生のせいにしようとしているのではないですか?」

マスコミも負けない。

「あのですね。大の大人が上司から叱りつけられただけで…自殺するのは間違っている!!それは…心が弱いからだ…」
昨日とはうって変わってのマスコミの質問に…
教頭先生はキレた。

テレビの目の前で…