私たちが坂本先生の遺書の内容を聞いたのは…
テレビのニュースからだった。

「昨日…学校では坂本先生の自殺は鬱状態による発作的な自殺と言っていましたが…本当は生徒によるイジメまたは他の先生達からのパワハラがあったことが原因だとわかりました」

テレビの司会者の人が坂本先生の遺書を読んだ。

『お父さん、お母さん、ごめんなさい。あれだけ学校の先生になるのを応援してくれて、教員採用試験に合格した時は一緒に喜んでくれたのに…途中で逃げ出すようなことをしてごめんなさい。

私は…学校でイジメられていました。
1年生の教室で…授業中に丸まった紙を背中に投げつけられ、その紙には辞めろ!!とかいてありました。
それを1人の生徒が読み、クラス中に辞めろ!!コールがおきました。
あの場から逃げたしたかった…怖かった。
でも…逃げたら負けなので必死に踏みとどまった。

私が怖かったのは生徒達が辞めろコールをみんなでしたからではありません。
私が怖かったのは…生徒達の心です。その時の生徒達はみんな、笑っていました。
人を傷つけているのが分からないのです。


お父さん、お母さんにはなぜ、私がこんなことを生徒からされるようになったかは分からないと思います。それは…私がクラスでリーダー格の生徒に授業中におしゃべりをしていたから…注意しました。
それからです…その子が中心となって…イジメが始まりました。