その日。
学校は朝からいつもと同じように始まった。

昨日の事も、全てが夢みたいに…
何事もなかったように。
学校生活が送られる。


ただ、校門にはマスコミがいて、私たちに話しを聞く。

『何も話さないように…』と言われているから何も話さない。

だけど。
貴大や裕貴は
「イジメはなかったですよ」
と笑いながら答えていた。


「おはよう」
貴大が教室に来た。教室に来るなり、よっちに
「よっち。お前…ちょっとこい!」
何をするのか分かっている。

よっちを殴るため。

「イヤだ。殴るだろう?」
よっちが拒否した。

「はぁ!?お前さ…何様のつもりなんだよ?俺が来いって言っているのに」

もう…みんな、忘れている。


「あんたこそ、何様のつもり?」
突然、そう言って貴大の前に出て、貴大の頬を叩いたのは沙耶ちゃんだった。

「私…もうイヤだから。こうやってイジメを見ているのも…やるのもイヤだから…」