美晴が屋上から飛び降りた。

暑い、暑い、太陽が照りつける中、アスファルトに倒れている美晴を見つけたのは…校庭で草取りをしていた用務員さんだった。

用務員さんは…美晴は熱中症か何かで倒れていると思って声をかけた。

けど…頭から血は流れているし。
腕も不自然に曲がっているため…
“大変だ”と思い、職員室に飛び込んで、救急車を要請した。


5分後。
休み時間に校内放送が入った…

『今から生徒たちは教室から一歩も出ないように…』
と。

先生たちは…私たちに美晴が救急車で運び込まれるのを見れないように、教室から絶対に出るなと言った。


だけど。
なぜ、私たちは教室から出れないか分かっていた。

用務員さんが職員室に駆け込んだ時。
職員室には何人かの生徒がいたからだ。


私たち3年生の教室では。
「自殺らしいね」

「何で?」

「昨日の小火騒ぎ、自殺した子のタバコが原因だったらしいよ」

とおもしろ半分に騒いでいる子もいた。