「なっ!? どぉなってんだ、こりゃあ!!?」




俺はまだ校門の辺りにいることも忘れ、思わず叫んじまった


だって、驚くだろ? フツー

自分の体が消えかけてんだぜ?

寧ろこれで驚かねぇヤツがいたら、逆に怖ぇよ









──とにかく、ヤバい
何がヤバいか解らんが、とにかくヤバい









・・・ん? 待てよ






「冷静に考えろ、俺!
こんな不可思議なことが起こるなんて現実では有り得ねぇんだ!」



そうだ、これは────














「夢なんだ!!」



俺はまだ消えていない右手で頬をつねってみた


「────ッッッ!」



夢じゃ、ない、だと?




待て、落ち着いてよく考えろ






そうだ、パニックで忘れかけていたが、ここは校門だ

きっと生徒の誰かが俺に気づいて助けてくれるはず・・・・・・


俺は辺りを見回した


だが、誰もいない


学校の正面に張り付いている時計を見る





───八時四十分ちょい過ぎ





「そりゃ、いるわけねぇよな・・・」


遅刻しちまったんだし


でももしかしたら他にも遅刻してくるヤツがいるかも・・・・・・・・・


或いは、生徒か教師かが教室の窓から外を眺めた拍子に俺に気づくかも知れん・・・・・・










──いや、仮に誰かが気づいたとしても、この不可思議をどう解決するんだ?



「くっっそぉぉぉ!!」


やっぱ俺、消えちまうのか

既に俺の体は消えていて、あとは首から上を残すのみとなっていた


「・・・せめて最期に何か旨いもん食いたかったなぁ」

て、こんな時にまで何言ってんだ俺!



そんなことを考えているうちに




俺は、そのまま消え