消えたい


あの人はいつでも捕まえられなかった

遠い、遠い、存在だった
近づく事さえ困難だと言えた

近くにいても
遠くに感じる
そんな空気を纏っていた

それは儚げで
どこか危なげで
だからこそ愛しく思えて
追いかけた

追いかけたけれど、やっぱり捕まえられなくて

大切な存在だったのに
いつの間にか、思い出になって

少しずつ色あせて、薄れて、消えていった

たしかに
そこに在ったのに―…