「抵抗するな。公務執行妨害になるぞ」


オレの遠慮を一刀両断する有無を言わせない警察官の声。


「では……お言葉に甘えて」


警察官の思いやりに深く感謝して、オレは黙ってパトカーに乗り込んだ。



「この人、ウチの店のコーヒー代を払わず逃げた男だわ!」


さっきの喫茶店のウェイトレスが人込みの中から声を上げた。


「ウチの娘にもアイツ、手を出そうとしたのよ!」


同じく、四万十川少女の母親の声。


「……え?」


オレは驚きつつ間抜けな声を上げた。