「さ、立て」 オレを助け起こしてくれたのは警察官だった。 「……サンキュ」 鈍く痛む頭を抑えながらオレは警察官に礼を言った。 「乗れ」 警察官はオレをパトカーに誘導する。 警察官……さすが市民の味方。 パトカーで家まで送ってくれるとは。 確かに今、頭も痛いしフラフラする。 一人で帰るのは難しいかもしれないが…… 「いや、そういう訳には行きません」 こんなオレのためにわざわざパトカーを出してくれる警察官の優しさにただ甘える訳はいかず、オレは丁重に、だがキッパリとお断りした。 ・