やがて大根も終わりになった頃、オレの意識も終わりかけていた。 オレは面白くなれただろうか? わからない。 だが、真面目人間として世間の片隅で生きて来たオレがこんなにも今、人々の注目を浴びている。 オレは産まれ変わった。 ありがとう、ババア……。 信じていたぜ。 出来ることならオマエを抱き上げて、オマエと一緒にこの喜びを分かち合いたい。 でもオレには出来そうにない。 ゴボウと大根まみれのこの頭はもう、クラクラだ。 いいダシ、出てるかな……。 というか、誰か動けないオレを助けて。 ・