「ハイッ!」 ゴンッ! 「も一丁!」 ゴンッ! 「こらせっ!」 ゴンッ! 頭を打ち付ける大根に合わせ、オレは合いの手を声高に叫ぶ。 どうだ、人間餅付き! ババアとオレのコラボ。 オレは人々の反応を一目見ようと、くらくらする頭をそっと上げた。 反応、薄い。 ま……まだまだ、なのか? 「てぇーい!」 ババアは疲れ知らずだった。 あの10センチの歩幅で歩くはかなげな老女の姿は蜃気楼だったのか。 どこまでも奥深いババアにオレは負けそうになる。 ・