オレはババアの後ろから、そっとその手の中の買い物袋を掴む。 仕方ない、このババアの面白さをどうにかして奪うためだ。 今、世界をナナメに見ちゃっているオレが人助けするのには、ほんの少し抵抗がある。 そんなオレの心を読んだように、老女もオレに抵抗してくる。 必死の形相をした老女のその震える手は、買い物袋を離さない。 やるな、このババア。 面白いじゃねーか。 欲しい、欲しいぜ、その面白さ。 「よこせ!」 思わずオレがそう叫んだその時、負けじと老女も叫ぶ。 「ひったくりーーー!」 ・