守って

聞き覚えのある声に、驚いて後ろを向くと一輝が壁にもたれていた。

「何でお前が「何でって決まってるでしょ」


鋭い目付きで言った、一輝の表情は怖いを通り越し、“恐怖”へと変わっていた。

「ふざけんなよッ!何で留衣さんを…!」

「この子のお母さんがさぁ…。俺んとこの会社を潰してくれちゃって。それの恨み、かな?」


軽い口調で言った一輝に、苛立ちを隠せなかった。

「彼方、SPなんだからこの子のことくらい、守ってみなよ?ん?」

「お前に言われなくても…」