父親の栄転で両親がニューヨークへ行って3ヶ月が過ぎた。


私はすっかり同じ境遇の幼なじみ4兄弟との生活に馴染んでいた。




「莉子ちゃんバイト探してるの?」


バイトの情報誌を何冊も持って帰宅した私に修ちゃんが尋ねる。


「うん…再来月お母さんのお誕生日だからお金貯めようかと思って」


「エライね」


いつもの修ちゃんの優しい笑顔。


見ると安心する。


「無理言って日本に残らせてもらったしね」