「どこに向かってるの?」


「秘密♪」


行き先を告げないまま電車に乗った孝ちゃんに尋ねてみたけど、やっぱり答えは返ってこない。


一応今日はデートなんだけど、どこに行くんだろ?


「降りるよ♪」


降りたことない駅だなぁ。

駅からしばらく歩いてから角を曲がった。


曲がった瞬間私の視界に海が広がる。


「わぁ」


予想外の景色に思わず声がでた。


「莉子に見せたかった景色その2」


孝ちゃんがニカッと笑う。


じゃあ観覧車からの夕焼けはその1だったんだね。