お家に帰ろう。

そんな女子なんかと比べると、
これといってアクションを起こしてこない明に対し、困惑気味の哲司。


将人からは、あんなことを言われ、
周りからは、明とつきあっていると思われているようで…

(あ、そうか!明も、もうすでに、そう思ってたりして…?)


哲司は鎌をかけてみた。


それは部活の帰り道、二人っきりになった時だ。

「明のクラスに小池って居るだろ?」

「うん。」

「どんな子?」

「…気になるの?」

「(お。気にしてる?)俺がじゃないよ。(弁解もしとかないと。)」

「バレー部だったかな?けっこうハッキリ物を言うタイプかな〜。」

「あ、そ。(だろうな。積極的だったもんな。)」

「あたしは苦手だけど。」

「(嫉妬か?)上條さんとつきあってるのかって聞かれたよ。」

「…あー!それいつ?」

「先週の金曜日。」

「なんて言ったの?」

「え?…別に…(聞いてどーすんの?って言っただけだけど…)」

「なるほどね。だからかぁ。あたしも聞かれたよ。だから幼なじみって言っといた。」

「え?」


将人が言うのとは、違うような気がしてきた哲司は、

それからしばらくして、
明の気持ちの確信に迫ると同時に、目を覚まさせるつもりで、
小池によって紹介された女子と、つきあってみることにしたのだった。