お家に帰ろう。

「明日そいつに言っとけ!あれは明の兄貴なんだって!妹が絡んでるんなら、話はまた別だぜってさ!」


これが、のちまで明に彼氏ができない理由の一つかもしれない。



その後、将人が言った通り、
両親による夫婦喧嘩という演目は、いつの間にか終演を迎えていた。


そんな二人を見て、

「お父さん達は幼なじみなんだってね!」

遥が言った一言が、ふと、延長をにおわせる。


「どーしてそんなことを?」

「お母さんが言ってたって、まーくんから聞いた。」

「恥ずかしいじゃないか。あんまりペラペラ喋るのは、どんなもんかな。」


父が母の顔を見たのを、明は見逃さなかった。


そして一言

「てっちゃんがね、怒らなくなったの。」

「え?」

「何の話?」

両親と遥の頭の上に、?マークが浮かぶ。


「だって、お母さん達みたいに幼なじみだから、すぐに仲直りできるよって、まーくんが言ってたもん。」

「やだ〜明。テツと結婚したいの?」

「違うよ!そんなんじゃないもん!」


末っ娘の言うコトやるコトは、どーってことの無い事であっても
家族を和ませるものだ。


「そー言えば、まーくんまだ?テニスの帰り道、女の子といるところ見かけたんだけどなぁ。」

「あら。彼女かしら?」