お家に帰ろう。

ちょうど、そんな話をした数日後

将人が通りかかった公園で、
わざと遠くに蹴ったボールを、
哲司が拾いに行かされ、
それを何度も繰り返している場面と遭遇した。


見るに耐えられなかった将人は、

「それはイジメか!?」

と、小学生相手に怒鳴り込んでいった。


「俺はコイツの兄貴みたいなもんだ!仲良くしてやれない奴は親や先生に言いつけるぞ!おまえらの上級生の知ってる奴に頼んで、いつでも見張りに行かせるから、気をつけとけよ!わかったな!」


こんな騙し文句も、四年生にとっては、かなりこたえたらしく、
それからは、哲司をからかう者はいなかった。

それどころか、

「マサ君、かっこ良かったなー!」

「なんだよテツ、あいつらが怖くて明に八つ当たりか?」

「違うよ!あの中の一人が明のことを好きで…」

「!」

「俺、目の敵にされてるんだ。」

「…ほー。」

「そいつ、クラスで一番威張ってる奴で、」

「そんな奴、明だって嫌いだろ?」

「それは分からないけど…」

「おまえは?明のこと嫌いなのか?」

「嫌いじゃないよ!」

「…じゃあ、そんな奴から明を守ってやってくれよ!」

「や、やだよ!そんな家来みたいなこと!」

「家来?何言ってんだよ!護衛だよ!男が女を守れないでどーするよ!チンコついてんだろ?!」

「!!」