お家に帰ろう。

「でも大丈夫!これが初めてじゃないし!」


将人の言葉に、遥が興味を示した。


「そうなの?」

「そーだよ。二人は幼なじみだから、喧嘩なんかしょっちゅうだよ。」

「知らなかった…」

そこで明が一言。

「幼なじみって何?」

「あんたとテツみたいなこと!」

「あたしとてっちゃん?」

「だけどまーくん、なんでそんなこと知ってんの?」

「前にお母さんから聞いたんだ。」

「へー!私も今度、聞いちゃお!」

「喧嘩がおさまってからにしろよ!」

「わかってる!」


安心した遥が部屋から出ていった後、しばらく将人は黙り込んだ。


そろそろ遥も知っておいて良いと、そんな将人の勝手な判断が、あとで一悶着を起こすことになるとは…。


「まーくん、あたしとてっちゃんって、どーゆーこと?」

「え?」

「だって、てっちゃん、いつも怒ってるから。」

「そーのか?」

「あたしはてっちゃんのこと嫌いだよ。だから、あたしとてっちゃんみたいじゃ、お母さんとお父さんはダメじゃんねぇ!」

「…そっか。じゃあ今度、テツに言ってやるよ!明を泣かしたら、俺がおまえを泣かすぞってな!」

「あは。かっこいい〜まーくん。ヒーローみたい!」

「だろ!」