「独立〜!ただの一人暮らしでしょ。」

「あれ?もしかして淋しいの?」

「まっさかぁ。…逆に都合良いかも。」

「俺は、都合の良い兄じゃないんすけど。」

「まあまあ。」

「なんかさ、おまえの場合…早そうに思うんだけどなぁ。信頼されてるっつーか…」

「…まーくんとは立場が違うから。」

「…」

「あたしは女の子だし〜。その前に、はーちゃんでしょう。」

「あぁ…」

「どーなの、あれ。」

「まだ下でガタガタやってたよ。」

「…子供の頃…はーちゃんがお気に入りの、お婆ちゃんに買ってもらったワンピースが羨ましくって…“あたしも欲しい”ってダダこねた時、お母さんが作ってくれたっけなぁ…。そっちの方がだんぜん可愛かった!」

そう言って、
携帯電話を片手にベッドに寝転ぶ明を、
椅子を回転させて見つめる将人。


「あ、テツからだ。」

「…」

「……あは。誰かさんと同じこと言ってるし。パソコン買いに行くならつきあうってさ!」

「あいつもマメだな。」

「あーゆー奴の彼女は幸せだろうね。」

「…そうか?」

「…」

将人は前に向きなおした。

「ふぁ〜。眠い。寝る!あとはヨロシク!」

「はいはい。」

「電気消してってね。」