お家に帰ろう。

男心を引き付けるには、
何よりも嫉妬が一番なのかもしれない。


“アイツなんかより、俺の方が勝っている！”


それが男の性なのだろう。


そんなつもりはなかった明だったが、こうして将人のぬくもりを感じていると、さっきまでのモヤモヤした気持ちなど忘れた。


そして、
そのモヤモヤの原因であろう遥に、ある展開がおとずれることに…



「なあ、断ったって良いんだぜ。なんなら俺が言ってやろうか？」


遥と友達が、この前の合コンで会った哲司の友達二人と、ダブルデートをするという情報を入手した哲司が心配しているところだ。


「別に嫌じゃないよ。」

「相手は高校生だぜ。なんも面白いことなんかないぞ。」

「あははは。期待なんかしてないよぉ。久しぶりに高校生気分を味わおうって企画だから。しかも割り勘でね。」

「高校生なんて、ついこの間の話じゃねーかよ。」

「大丈夫！見栄張っておごらされたりしないから！」

「そーゆー事じゃなくて。」

「じゃあ、どーゆーこと？」

「…」

「自分の友達でしょ！信頼したらぁ。あんたが考えてるようなことはないって！」

「とは思うけど。」

「あたしは、本当に好きな人としかナイから大丈夫。…好きにならなければの話だけどね。」

「ふーん。」

「……テツも来る？」