お家に帰ろう。

市川のことも含め、哲司の話など気にしてないんだと見せた、そんな明の素っ気ない態度が、逆に気になった将人。


「…女子大生と高校生は上手くいかないの?じゃあ、大学生と女子高生は?」

「聞いてんじゃん。」

「自分のコトかと思ったから、興味深かったもんで。」

「男女の立場が逆だと違うの!」

「じゃあ、遥とテツはこの先ずっとナイってことか?」

「あの二人の問題は年齢じゃないから。」

「他にイーのが現われるかもよ。言っても、もう女子大生だしな。」

「…」

「遥が心配?それとも別のこと?」

「別に。あたしには関係ないから。」


明は、またベッドに寝そべり携帯電話を開いた。


「明。」

「ん?」

「もう帰れば?」

「?」

「その方が、俺に気兼ねしないで考え事ができるだろ?」

「別に考える事なんてないし。」

「ならイーけど。もし、そーなら遠慮しないでお帰りください。」

「あ…嫉妬だ。」


携帯電話を操作しながら言う明に、

「…ばれた?」

と、歩み寄り、その手から携帯電話を取り上げる将人。


「ちょっ!何すん…」


電話を追って上半身を起こした明は、将人の力にかなわずに押し倒され………
しばらく見つめあった二人の唇は重なった。