お家に帰ろう。

そんな明の唇は、やはり硬直していて硬く、

一度、唇を離した将人は不意に、今度は上唇に吸い付いてみせた。

すると、明の下唇があとを追い、互いに互いの唇を包み込んだ。


そんな、あたたかいキスに酔いしれた明の瞳は、
唇が離れたあとも、将人を見つめて離さなかった。


「ま、物事には順番ってものがあるから、そんな焦らなくても良いんじゃね?」

「だって、」

「恐いんだろ?」

「緊張しただけ!誰だって初めはそーでしょ?」

「そーだけどさぁ。」

「普通につきあうことが出来ないから…妹なんかじゃないんだって証がほしいの。」

「…」

「あたしが…他の誰かと、そうなっても良いの?」

「あ〜〜っ!」


その台詞が引き鉄となり、
引き寄せた明を、ゴロンと回り込むように押し倒した将人は、下腹あたりにまたがった。


そして、トレーナーを脱ぎ捨て、明の両肩を押さえ込むと、

「本当にいいの?」

目をパチクリとさせている明の顔を上から見下ろし尋ねた。



明は、静かにコクリと頷き……

そこから先は、将人に身を預けるのだった。



こうして二人は結ばれた。


二人の仲は一段と深まり、
これが、家族や友達を巻き込んだ、二人の物語の始まりとなるのだった。