お家に帰ろう。

「そろそろ帰るかぁ。」

「まだ明るいよ?」

「遠出すると、こーゆーデメリットがあるんだよ。」

「…ごめんね。」

「なにが?」

「こんなデート、子供っぽかったよね?」

「俺的には楽しかったけど…」

「だってこれ、遊園地で遊んだだけじゃん?」

「?」

「まーくんは今まで、どんなデートしてきたの?」

「…おまえぐらいの時は、こんな感じだったよ。」

「今は?」

「あ、今もか…」

「…また…デートできる日があったら…今度は、まーくんに合わせたデートがしたい…な。」

「…うん。そーしよ。」

「本当?!いつ?!」

「んー。卒業祝い?」

「!その次には入学祝いもあるよ!」

「そしたら俺の誕生日と引っ越し祝いもな。」

「あはっ。忙しいね。」

「そーだな。」


こうして互いが、今日で二人のコトに決着をつけようとしている訳ではないのだと確信した時…


「ねぇ、キスして。」


いつになく頼りない明の声が聞こえ、

(え?空耳…か?)

と、耳を疑った将人は、驚いた表情を浮かべた。


「なによ!そのくらいイーじゃん。デートなんだから…」


恥ずかしそうに逆ギレする明に、照れくさそうに近寄る将人は、
明の頭だけを自分の胸元に引き寄せ、額にそっとキスをした。