お家に帰ろう。

そして合格発表の日。

「あった。」

明は難なく合格。


そして、誰よりも先に…

『合格しました(^^)v』

将人にメールを送った。


『やったな!おめでとう!合格祝いは考えたか?』

『デートしようよ!』


その瞬間、将人の頭を友達の弟の言葉が過り、

『そんなんで良いの?』

『だって、遊園地とか動物園って、二人だけで行ったこと無いじゃん。』

ホッとしている半面、

(ったく、記念だのピリオドだの…絆ってなんだよ。)

なんとなく、期待外れな気持ちになっているような、いないような…


『それなら、お安い御用です。』


こうして、次の週末にも予定をたてると、
明の同級生に会わぬよう、
隣の県の遊園地へと、二人は足を延ばすことにした。

おかげで、人の目を気にすることなく、何かから解放されたかのような楽しい時間は、あっという間に過ぎていった。


「次、あれ乗ろ!」

子供のようにはしゃぐ将人に、

「ちょっと待ってよ〜」

楽しく呆れる明。


「時間なくなるぞぉ。」

と、掴まれたその手は、いつしかしっかりと繋ぎ合っていて…

(あれ、こんなだったっけ?)


それは、幼い頃の、あの感じとは違うものだった。