お家に帰ろう。

このまま、上手くいけば、
将人の口から、明への気持ちを聞けそうな気がした哲司は、

「そん時、大丈夫だったの?」

「あぁ。ったく、済んだこと蒸し返しやがって…」

「でも大変だったっしょ?修羅場だった?」

「いや…言ってもさ、相手も大人だし。」

「違くって!」

「え?……あー、そん時つきあってる奴いなかったから…俺も、相手も。」

「今はいるの?」

「まあ、それなりに。」

「それなりってなんだよ?(くそ〜。どーしても言わないつもりだな。よし!こーなったら俺も、すっとぼけて吐かせてやる!)」

「それなりだよ。ま、経験を積めば分かるよテツにも!」

「そっか!じゃあ、やっぱ合コンだな!出逢いが肝心だもんなぁ…ご近所さんで小さくまとまってる場合じゃないよ!また明に頼むかなぁ〜!」

「なんで明に?」

「だってあの学校、可愛い子多いもん!評判だよ!」

「…そうか?俺らん時はそーでもなかったぞ。」

「マサくん達の時代とは違うんだよ!時は流れてるからねぇ。(けっけっけ、今日はこの位にしといてやるか。)兄ちゃんは心配だね。じゃ、おやすみ!」


将人にしても、明も、何としても言わないのなら仕方がない。


(こないだの明のアレも、何だったのか分からないままだけど。何かあったら、その時は、協力してやるかぁ。)

と、自分からは詰め寄らないようにしているにもかかわらず、

「あら、てっちゃん!」

「あ、弥生さん。」

近所で出くわした弥生の話には、さすがの哲司も面倒だった。