お家に帰ろう。

「すっかり巻き込んじまって悪かったよなぁ!アレやコレや隠し事ばっかだろ…いつか、どっかで辻褄が合わなくなってくるから、この際“全てシラをキリ通した方が良んじゃないか?”って、俺が明に言ったんだよ。変な詮索しなかったか?」

「!(変な詮索?)」

「あ、そうだ!なんか、遥に言ってくれたんだって?」

「え?」

「遥のやつ、テツの言葉には素直に耳を貸すんだなぁ?」

「そんなことないけど」

「あー!」

「なに?」

「もしかして?」

「はあ?」

「俺とかってさ、明とテツをセットして見てるけど、実際、本人同士はそんなつもり、これっぽっちもなくて…でもその空気のせいで言い出せない気持ちが…遥にはあったりして?遥の僻みは、俺と明にじゃなくて、テツと明にだったりとか?」

「…」

「だってさ、テツと遥が一緒に居るとこだって、見てたよん、俺。」

「そりゃ〜あるでしょ。家族ぐるみの付き合いしてんだから。マサくんとだって、こうしてさぁ、」

「よく見かけたなぁ〜。あれはぁ、テニススクールの帰りだったかなぁ?」

「…あ〜って、小学校の時じゃん!」

「なんか今、急に思い出した。」

「…勝手だなぁ。明だぁ遥だぁって…もう、惑わされないよ俺。」

「お。どした?」

「マサくんはどうなの?」

「どうって?」

「明はさ、俺の手に負えるような奴じゃないけど、マサくんの言うことは聞くってコトだよね?やっと分かったよ!明はさ…マサくんのコトが好きなんじゃないの?」