お家に帰ろう。

(マサくんの怪我を明も知ったってことだよなぁ?…俺に“友達が来る”って言った手前、明にも嘘をつかせたのか?…絶対あれは明だったもんなぁ?…そこまでして隠さなきゃならないことか?)

と、これは昨日の哲司の様子。

そして、

(そうか!偶然、明は行っちゃって、喧嘩のこと知って、口止めされたから俺に嘘ついたってワケか?電話した時、家でメシ食ってたしな!友達が来て、とっとと帰されたんだなぁ明の奴。)

これが、登校中の哲司の解釈だったのだが、

(なんでコレを活字に残したくないんだぁ?やっぱこんなことじゃなくて、もっと…例えば…え〜)


こうして、頭を抱えている様子を見つめる哲司の彼女は、違う事を心配していた。


「ねぇってばぁ!」

「え!?」

「あたしの話、聞いてる?」

「あ、ごめん。考え事してた。」

「…考え事って?」

「いやぁ、ちょっと。」

「何があったの?最近、ちょっと変じゃない?」

「そ?(アリすぎ!)」

「あたしにも言えないこと?」

「あ…うん。そーだな。これはちょっと。でも、考えても分かんねーから考えない!ごめんごめん。(あとでマサくんから聞けば分かるんだし!)うん。そのうちハッキリするし!」

「え?」

「ん?」

「何がハッキリするの?」

「うん。地元の友達の事!」

「友達って、女の子?」

「男だよ!(明も、いちお女だけど、めんどくせ。今それどころじゃ…あれ…女と…男…)イトコだよ(なぁ)…」