お家に帰ろう。

そんな矢先、

「ん…明のケータイ鳴ってんじゃない?」

「あ、ホントだ。」


食事中に立ち上がる明を睨み付ける父親から、隠れるようにして電話にでると、

「もしもーし?」

それは哲司からだった。


「おす!もう帰ったの?」

「は?今、食事中なんだけど。」

「マサくんは?」

「居ないよ。これ、あたしのケータイだもん?」

「今日、マサくんち行ったろ?」

「…行ってないけど。」

「え?」

「だから何?お父さんがスゴい睨んでるから今。」

「あー、じゃ、イーや!うん、また!」

「え?なに?あ…」


電話は切れた。


「誰?」

「テツ。」

「なんだって?」

「分かんない。」

「?」

「!」


気が付けば、遥と普通に話していた。



食事を終え、とっとと部屋に行く明を追うように、遥も階段を上がって行く。


そして……コンコンッ!

「あい?」

「私。ちょっと良い?」

「あ、うん。」


遥が明の部屋へとやって来た。