お家に帰ろう。

休み明け、
将人は、吉岡の通う高校の通り道にある、コンビニの中に哲司と居た。


「俺、顔、ワレてっからなぁ。」

「いいかテツ。おまえは絶対、出てくんなよ!」

「それは分かったけど…大丈夫なの?」

「文句言ってやるだけだから。」

「あっちはそれじゃあ済まないよきっと…」

「そん時は…こっちだってやってやるよ!」

「それが心配なんだって…」


雑誌の立ち読みをする振りをしながら、硝子越しに、下校中の吉岡を探す二人。


将人は顔を知らないため、
哲司も一緒につきあわせて見張らせていた。


その時、

「あ、来た。」

「え!どれ?」

「ほら、あの三人組の一番右の。」

「よし!あとで電話入れっから!」


そうして、将人は店を出ると、
その三人組のそばへと駆け寄った。


「吉岡くんだよね?」


将人の方を、三人が同時に振り向くと、

「やべっ!」

一番左の男が走り出した。


(馬鹿テツ!左右も分かんねーのかよ!)


反射的に後を追って走りだす将人。


吉岡は以前に、明と一緒に居る将人の顔を見て知っていたのだ。