お家に帰ろう。

「言ったでしょ。あたしはずっとそばにいるって…」


そして、将人の胸元に、ちょこんと額を置いた明は、勇気を出して本音をぶちまけるのだった。


「もう、他の女と仲良くしないで!」

「…うん。別れるよ。」

「ホント?」

「どーせ喧嘩ばっかしてんだ。…俺なんかにおさまるタイプじゃないし。」

「ふーん。(なんか、分かる気がする。)」

「帰ろ。」

「うん。」

「あ、その前に…」

「ん?」


不意にキスをする将人…


「ちょっ、何これ〜!(あ、歯、ぶつからなかったや。)」

「契約のキス。二人のことがバレないように努めること!」

「ひど〜い!(ムードも何もないじゃん!)せめて“二人が上手くいきますように”とかにしてよねー!」

「じゃあ、それで。」

「こんなんじゃ、上手くやってく自信が持てない!」

「ゆっくりゆっくり…(あと2年は待つつもりだったんだ…いつまでだって俺はおまえと)いつも一緒に居れんだから。」



こうして二人の、過酷な関係が幕を開けた。


そのうち、
周りから認めてもらえるよう、
なんとかするつもりでいる将人は、
その間に、明が他で相応しい相手を見つけた時のことも覚悟しながら、
とにかく今は、
隠し通すことを心に誓うのだった。


それが二人のためだったから……