お家に帰ろう。

速まる鼓動をひた隠し、

「夏休みが終わったら、なかなかココまでは来れないかなぁ。」

冷静を装って見せる明…すると、

「じゃあ、今日は送って行く!」

そんな林の顔を、まともに見れない状態で、

「練習しに来たんでしょ!ほら、せっかく空いてるんだから」

あしらうように言い放つも…

「俺はいつでも来れるし!」

これには、返す言葉が見当たらず、

「君とだと俺、自然でいられるって言うか…楽しいって言うか…」

「ねぇ…相手が違う!」


その気にさせてしまったなら…と、少し責任を感じながら

「じゃあ〜、ほんのちょっとだけ、送ってもらおっかな!」

ここへ練習に来るのも、今日が最後のつもりで、
公園の出入口へと二人で向かったのだった。


(高校生ってこんな感じ?単純で決断が早いと言うか…積極的なんだけど、悪く言えば必死な感じ?!)


これと言って会話がなく、

(まーくんも、あの彼女に迫ったのかなぁ?…あ、あの女が迫ったのか?)

つい、余計なことまで考えてしまう。

その時、

「おい、明。」

斜め前方から将人の声が………

「え!?」

「…またココだろうと思って来てみれば…なんだぁ?練習とか言って、こーゆーことだったのか?」


林をジロジロと見ながら、将人は近づいて来た。