お家に帰ろう。

やっと会うことができた林のもとに、明は、思わず駆け寄っていた。


「最近来ないからどーしたのかと思ったよ。」

「うん。夜の外出は駄目って…」

「そっか。…てっきり、俺のこと避けてんのかと」

「なんで?」

「…キスのひとつもまともにできないから…」

「何ソレ?なんでソレで、あたしが避けるわけ?」

「恥をかかせたんじゃないかと…ここんとこ、ずっとそのことが気になってて…」


明は、心臓のあたりが“キュンっ”となった。


「もしかしたら俺…」

「な!何言ってるの?歳上の人がいるんでしょ?」

「…」

「言っとくけど…あたしには好きな人いるから!」

「あれ?!いないって言ってたじゃん。」

「そーだけど、やっぱり好きだって分かったの!…この前のキスで…」

「…そっか。」

「もぅ…(男なんて単純なんだぁ)林くんって一途そうで、他の女の子も目に止まるんじゃ〜ん!なんか、安心したよ〜。」

「…女の子が皆、明ちゃんみたく明るければね。」

「あたし…明るい?」

「え?あー、かなり。」

「あはっ。良かった!」

「は?」

「なんでもない!」

「ワケ分かんね。」

「いーの!さて、ちゃんと会って話も出来たし…帰ろっかな!」

「もう?」

「夕飯までに帰らないと、また怒られちゃうから!」

「じゃあ、また会える?」