遥の気迫に圧倒され、明が何も言えずにいたため、

「今日、吉岡と会ったんだよ。そしたらあいつ、」


哲司が代わりに説明を始めるも、

「その顔見るとイライラしてくるの！」

遥の怒鳴り声にかき消された。


そして遂に、

「明なんか生まれてこなければ良かったのに！！」


玄関中響くその言葉に、

「遥！」

敏感に反応する弥生だった。


「なによっ！」


遥が振り返り、弥生を睨み付けた、
そのすきに、

「ごめんなさい。」

明は外へ跳び出した。


「おいっ、明！」

後を追おうとした哲司が、ドアに手をかけた時、


ピシャ―ン ！

（え？）


哲司が見たのは、弥生が遥の頬を叩き終えたところだった。


「…皆して、明ばっかり！！」


当然、遥は階段を駆け上り、自分の部屋へと身を隠した。


「あ、お、おい…」


それを見届けた弥生は、

「ちょっとお願い。」

と、哲司の肩を叩き、

「え？」

明を追って外へ…


「え〜〜…？」