「ところでさ、おまえ、好きな男とかいんの?」

「なんで?」

「聞かねーなーと思って。」

「聞いてどーなるの?」

「合コンしね?」

「あんたんとこ共学でしょ。」

「興味あって。」

「必死さが丸見え。」

「俺がじゃねーぞ。」

「言っとくけど女子高って、そんなに男に餓えてないから!」

「嘘つけよ!こないだ声掛けられたっつーの!」

「誰が?」

「俺が!」

「…」

「あれ?もしかして見直した?」

「道聞かれたくらいで…」

「殺すぞ!」

「それで調子づいちゃったんだ。単純だね〜。」

「絶対殺す。」

「ま、何事も経験と積み重ねが肝心だから、頑張って!ね!」

「おい、ちっと待て!」

哲司は起き上がり、

「随分と上から言ってくれてるけど、おまえは経験あんのかよ?!」

と、突っ掛かってみたが…

「なんであんたに言わなきゃならないの?」

「ガキん頃のキスとかって笑わすなよなぁ!そんなもん…それなら俺にだって…」

「そんなの忘れてたっつーの。」

「…そんな奴、いたっけか?おまえに?」

「あんたがあたしの何を知ってるの?なんのつもりな訳?」

「金魚のフンとか言われてたけど、俺は、マサ君の弟のつもりだから!」