キラキラ輝く、いわゆるネオン街と呼ばれる場所。


あたしは今、そこにいた。


「…ほ、本当に大丈夫なの!?」



あたし達はあれから一旦家へ帰り、着替えてまた集まっていた。



「藍菜、あんたまるで別人だよっ!」


嗄智は下から上へ何度も何度も視線を這わせる。



「あたし美容師に向いてんじゃね?!」


茉希も嗄智と同様、失礼なくらいにあたしを見つめた。


「…藍菜じゃなぁい!」


実亜は相当驚いたのか、口元を手で押さえている。



「そんなに驚くこと?!」


「当たり前じゃん!!
今の藍菜、すごく可愛いよ!大人っぽいし」



あたしはお店のウィンドウに映った自分の姿をまじまじと見つめた。



―…確かに、変わったかもしれない。



伸ばしっぱなしで、なんの工夫もされていなかった茶色の髪は

ハチミツみたいな綺麗な金に近い色になり、
ふんわりと上品なウェーブがかけられている。



服だって今まで着たことがないような、露出多めの淡いピンク色のワンピース。

足元には慣れないヒール。

あたしにとっては全部が“初めて”で似合っているのかどうかも分からない。



「…じゃなくて!!…男を騙すなんて、出来るのかな?」


「それはあんたの腕しだいよ♪食券1年分。欲しいでしょ?」


「うぅっ…」


そう。

今回の賭けはいつもと比べものにならないくらいリスクが高い。


勝てば食券1年分


負ければ………


はぁ、考えるだけでも怖い。


そんなあたしを放って三人は獲物選びに必死。


選ばれちゃった人…
本当にごめんなさい、


食券1年分もらったら
あたしの生活はだいぶ楽になるの。



だからお願い、許して(笑)