でも、今はもう3月になり、中学を卒業したばかりだ。


まさかまだそのことを覚えているとは思わなかった。


しばらく黙ったままの私がやっと口を開いたのは、嫌なことを思い出したからだった。


「嬉しいけど…でも、由衣がいるから…」


私の親友の由衣もまた、優人が好きだった。


あまりの好きっぷりに私もついて行けなくて、好きだということを言わずに応援をしていた。


だが、由衣は積極的に迫っていたせいか、優人も困って私に相談することがたびたびあったのだ。


『あいつは関係ない!俺はお前が好きなんだ!』


私はその言葉に嬉しくて涙ながらに「うん」と、返事をした。


これが、私の人生を狂わせた始まりであった。