「それ大変じゃん。
俺も手伝うよ」


「いえ、いいんです!
多分……見つからないから。
それに、あの……裸眼でも結構見えるので」


「そう、ホントに大丈夫?」


「はい、大丈夫です!
あ、もうお昼休みなんですね……
って先輩、それ全部食べるんですか?」


セナちゃんの驚きを含む視線は、俺の腕の中にあるパンの山だ。


「俺結構食う方だけど、そんな大食らいじゃないって。
部活前に食べる用も一緒に買ってるんだ。
セナちゃんは、いつも弁当派?」


「そうですよ。
でも……あたし、ドジだからお弁当忘れちゃって……
今日は先輩と同じで、パン食になりそうです」


「それじゃ早く行かないと、売り切れちゃうって!
俺と話してる場合じゃないな」


笑って頷いたものの、急ぐ気配を一向に見せないセナちゃん。


「セナちゃん、買いに行かないの?」


「えっと……
普段お弁当だから、お財布も忘れちゃって……
無一文、なんです」


「えぇ!?
じゃあ昼は?」


「一食くらい食べなくても、平気ですから。
その、今ダイエット中でちょうどいいですし」


「何言ってんの!!」