フタリの事情。

二人で分担して化学室まで荷物を運んだ後、


「先輩、すごく助かりました。
本当にありがとうございました!!」



90度直角に腰を曲げて、深々~と礼をしたセナちゃん。

そのあまりにも真剣な姿に、思わず笑いがこぼれて、


「ははっ、いいってば!
俺相手にそんな堅苦しくなんなくて」


「でも……関谷先輩は目上の人というか、その、先輩だし。
半分なんて言って、ほとんど関谷先輩が持ってくれたし……」


「思ったより軽かったからさ。
気にしないで」


ほんとマジメだよなぁ。

礼儀正しい、っていうか。



「そんじゃ、部活行こっか?
マネの仕事って雑務多くて大変だと思うけど、今日もよろしくね」


「はいっ!
……あの、先輩……」


ピタ。


急に立ち止まったセナちゃん。


「実はずっと前から、先輩に聞きたいことがあって……」


「うん?」


「その……いえ、やっぱりいいですっ!」