「大丈夫だよ。レンが気負いすることない。」 「……。」 「でもなあ~、勝って欲しかったなあ~(笑)」 「悪かったな、負けて。」 あはは、と笑いながら嫌味っぽく言ってくれたのは、恋だけだ。 恋は、ひとの気持ちをよく知ってる。 ありがとう。 心の中でそう呟いて、恋からもらって少し溶けてしまったチョコレートを口に入れた。 苦い、だけど甘い味がした。