「……。」 行けって… 「いいから。ハチは俺が見ておく。救護の人もいる。」 でも、隣にハチさんがいるのに… 「全国行くんだろ」 その顧問の言葉と表情は、いつもの「いい意味でノウテンキおじさん」とは違う、真剣そのものだった。 「全国の試合がある頃には、ハチももう治ってる。そこで、ハチたちと一緒に戦うんだ」 「…ハイ!」 ひとつ大きな深呼吸をして、バクバクしてる胸の奥をつかんだ。 ここで負けたくない。 相手にも、自分にも。 今僕がやれることを、やるだけ。