「大丈夫なんで。 見た目より全っ然痛くないっすよ。だから出ます。時間取っちゃってすみませんでした」 誰に向かって言ったのか、そう言うとハチさんはベンチから立ち上がった。 嘘だ。 絶対痛いに決まってる。 今も、痛そうな顔したじゃないか。 「ハ…」 僕が手を伸ばすのと、ハチさんが倒れるのは、同時だった。 「ハチさん。」 痛みますよね? 「…ごめん。」 僕の肩に腕をのせて、ハチさんはベンチへと戻る。 その光景を見ていた顧問は、つぶやいた。 「レン、行け。」