「マジですか」 口をぱくぱくさせながら京平が顧問の先生に言う。 「ああ本当だ」 「嘘ですよね」 僕も疑う。 「嘘じゃないぞ。1年の中でお前らが一番上手いし真剣だからな。1クォーターだけだが出てみろ」 あっけらかんな僕たちをほほえましいような顔で先生は見つめると、最後に一言付け足した。 「嫌なら他の奴に出てもらおうかな。」 やるに決まってるじゃないですか、先生。