「鞄、だよ。」



そう。あたしも鞄だと思った。
冷たい部分は金具だったみたい。
あー鞄でよかった。



鞄で…



―――え?
あたし何も言ってないよね…?



誰かいるの…?
ちょ、ちょっ…ホラーじゃん!



もうすぐ生まれて十七年。
この歳を境に、おばけが見えるようになっちゃうとか?



やだ、やだ!そんなの!
あたし、もうお先真っ暗なのかなぁ…。



短い人生だったなー。
あたしが死んじゃったらみんな泣いてくれるのかな?



…じゃもうそろそろ天国へ―――



「唯ちゃん。何ぶつぶつ言ってんの?夜だから怖いよ?」



あぁ、うっ…また聞こえた…。唯ちゃんってあたしの名前…。



唯ちゃん?