でも、隣の女の子は誰?
「どれどれ…あ、女連れてる。」
『ちょ…そんな言い方やめてよ!』
「しーっ、おっきい声出すな。バレんだろ。」
と人差し指を口にあてて言う。
少し稜斗と似てる…似た者同士なんだ。
今度はじっくり稜斗を見てみると、体操服に泥がべったりと付いていることに気がついた。
さらに右の膝が擦りむけていて血が出ている。
転んじゃったんだ…かわいそう。
「あは!ここ誰もいないね。楠原くんと二人っきりだぁ。」
意味ありげに言う女の子。
なにが言いたいのよ…。
「ねぇー、楠原くん?誰もいないんだったら、楽しいことしない?」
「楽しいこと?」
「うん。」
プチ…プチ…
規則正しい音が保健室に響く。
これってボタンが外れる音…。
このままいったらあたし、彼氏の浮気現場目撃することになりそうじゃない?

