「いやー、あそこでお前がコケなかったら俺だってコケなかったんだぞ。反省しろよ。」


「えーごめんね。楠原くん。でもほら!あたし怪我してないのについてきてあげてんじゃん。だから許してー。」



え、楠原?…稜斗?



と思ったときには、ぐいっと手を引っ張られて保健室のはじっこのとこに引き込まれた。



ちょうどその時、誰かが入ってきた。



「せんせーっていないよ?楠原くん。」


「ほんとかよ。うわ、まじいねぇし。来た意味ねー。」



あたし達はベットの陰のところに座っていて、入ってきた人達からはこっちがちょうど死角になっていて見えない。

しかもあたしは雅哉の伸ばしている脚の間に入っているため、結構恥ずかしい。
雅哉の胸板とあたしの背中がぴったりくっついてる。



ベットの下からそっと入ってきた人達を見ると、予想通りの稜斗がいた。



「おい、榛澤。稜斗がいんの?」



実は雅哉と稜斗は親友どうし。
だからあたしも仲いいんだ。



『うん…。稜斗…。』