『あっ…ごめっ…。脚がまだ慣れてなくてさ。』


「ん、大丈夫。それより立てんの?」


『ちょっとキツいかも。』



こうやって支えられてても、まだふらふらしてる。



…って、これはもしや…?



「じゃ肩貸すから一緒にいくぞ。」


『えっ?う、うん。』



ここはもっとロマンチックに夢のお姫様抱っこ、とかじゃないの?
期待しちゃったじゃん。



小さく溜息をつくと雅哉はそれに気づいたらしくて苦笑いして、



「その溜息…俺の肩じゃ不満ってこと?立ち上がらせただけでありがたいと思えよ。この恩知らずが。」



という言葉と共に、デコピンされた。



『痛ぁ…も、何すんのよ!あたし一応怪我人なんだからねっ!?大事に扱ってよ。あと、ワレモノ注意の貼紙が見えないの!?』


「はぁ?たく…可愛いげのねーヤツ。つかどこに貼紙があんだよ。」


『あたしのこころ。』



あ…我ながらいいこと言った。