結局、全部で一時間かかった。
『隆介さんごめんなさ……え?』
家のドアを開けたら、隆介さんがいるはずだったんだけど…。
『何この人混みっ!!』
目の前には人の山。
なんで!?
「キャー、隆介さんにこんなとこで会えるなんて!!今日は運がいいのね!」
隆介さん…って有名人?
または学園のアイドルだっけ?
考え事をしてたら、いきなり腕をひかれて路地裏に入った。
『痛ーい!ちょっと、誰ですか!?』
あたしを路地裏に連れていった人は、口に指をあててしーっと言った。
この声…隆介さん?
『隆介さんですか?』
隆介さんらしき人は影でよく見えないけど、首を上下に振ったような気がした。
隆介さんか…安心…。
けど人混みの中の女の子達はまだ騒いでいる。
みんな、ここに隆介さんがいるってわからないのかな?
その時、人混みの隙間から男の人らしきものが見えた。
今のって…隆介さんじゃなかった??
うん!絶対そう!あんなチャラい人滅多にいないもん!
って事は、この前の人…誰!?